赤ズッキン

 

「おばあさま こんにちは 赤頭巾よ お見舞いに来たわ」

「おお 赤頭巾ちゃん よく来てくれたね ドアは開いているからお入り」

ギギ~~

「お加減はいか・・・・あら?おばあさま ちょっといつもとお顔が違うような」

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「そうかい ずっと熱があるからね~~」

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「でも 目がずいぶん丸くなったわ」

「お前のことがよ~く見えるようにだよ 」

「それに鼻もいつもと違うような」

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「そうかい?歳をとると どこもかしこも変形するものさ」

「そうなの・・・・それにしても口がいつもより大きいんだけど・・・」

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「フフフ・・・それはね お前を食べるためさ!!」

ガブッ!!

:

その数時間後

猟師によって赤頭巾ちゃんは 無事に救出されたので ご安心を

一方

悪い狼は 寝ている間にお腹に石をたくさん詰められて

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立ち上がった途端に

ぎっくり腰になって ひっくり返ってしまいましたとさ

 

<おしまい>

 

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Cast

偽のおばあさん ・・・ ジャズ

悪い狼の足 ・・・ 太鼓担当者

 

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ブログ童話Ⅳ・ハコちゃんのスポットライト

 

ハコちゃんは 日本の北に住んでいる

 小学3年生の女の子

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家族はおとうさん おかあさん 犬のザラメさん カメの安西さんと村上さん

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ハコちゃんは 5歳の時からピアノを習っている

近所にピアノ教室があって 毎日のようにピアノの音が流れてくる 

幼稚園に通っていた頃 ハコちゃんもおもちゃのピアノを持っていて 

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その音にあわせて小さな指でポンポン叩いて遊んでいた

「私もピアノ教室に行きたい」って ある日おかあさんに頼んでみたらとても喜んでくれた

子供の頃 おかあさんはピアノを習いたかったけれど

 おとうさんの転勤であちこち引越しばかりしていたから無理だったみたい

 ピアノを買ってもらったのは 小学校に入学する時

ハコちゃん おもちゃのピアノばかり弾いていたから

鍵盤がとても大きく感じられて それはそれはびっくりしたんだよ

ハコちゃん ピアノを習い始めてから5年目になる 

もう両手で上手に弾けるようになった

学校の音楽の時間になると ハコちゃんますます元気になる

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だって 授業の始まる前に 仲良しのコンちゃん(昆久利斗君)が

いつも 「ピアノを弾いて」って言うから

そうすると ハコちゃん得意気にそしてちょっと気取って練習曲を弾く

ピアニストになった気分でね

友だちも集まってきて 弾き終わるとみんなで拍手をしてくれる

それが とても楽しみだし うれしくてたまらない

クラスには ほかにもピアノを習っている友達がいて

ハコちゃんよりももっとうまく弾ける女の子もいるんだけれど 恥ずかしいみたい

ハコちゃん どうしてかさっぱりわからない

人にはいろいろ事情があるんだろうなって思っている

その日は年に一度の ピアノ教室の発表会の日

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近くの公民館のホールが会場だ

生徒は全部で14人 出番は6番目 ハコちゃん朝からそわそわ落ち着かない

学校の音楽室で弾く時は 平気なんだけれど

発表会のステージに上がるととても緊張してしまう

ライトが自分を照らしているし お客さんもたくさんいるから

それに一度発表会の時 途中で止まってしまって悲しくなったことがある

 ハコちゃん その時のことを思い出すと体がちょっと震える

でもそういう時は おとうさんの言った言葉を思い出すことにしている

 「たとえ間違ったとしても ハコがステージで弾いているのを見るだけで幸せなんだよ」

勇気が湧いてくる とても

発表会のスタートは午後一時から そして 生徒の集合時間は午前11時

買ったばかりの 水色のワンピースを着て

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ハコちゃん 部屋でピアノの練習をしていたら

 「コンちゃんが来たわよ」っておかあさんが知らせにきた

玄関に行ってみると コンちゃんがニコニコ笑って立っていて

「これ お守りだよ」って 手渡してくれたのは 

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クローバーの花束だった

白くて丸い小さな花が 緑色の葉の間で水玉模様みたいにポンポン揺れていた

「その中に一本だけ 四葉のクローバーがあるんだ」

「え?本当?」

よく見てみると本当にあった 真ん中あたりに四葉のクローバーが一本!

「わぁ すごい!ありがとうコ ンちゃん」

「がんばれよ!」

コンちゃんはそう言って くるりと向きを変えて走って行ってしまった

ハコちゃん 元気がもりもり湧いてきた

そして ドキドキの本番

ハコちゃん とても楽しい気持ちで弾く事ができた

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途中一度も止まらずにね

舞台から おとうさんとおかあさんがおもいっきり拍手しているのが見えた

友だちもたくさん来てくれた もちろんその中にコンちゃんの顔もあったよ

みんなの応援がハコちゃんの勇気と力になったんだね

発表会が終ると 生徒ひとりひとりが先生と握手をしてから帰る

「とてもよかったよ」って言ってくれた先生の顔もうれしそう 

 ロビーで待っていた おとうさんとおかあさんのところに駆け寄ったハコちゃんの

楽譜の間から ハラリと何かが落っこちた

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それは コンちゃんがくれた四葉のクローバー

ハコちゃん コンちゃんのプレゼントを楽譜にはさんで持っていたんだよ

「あ いけない 私の大切なお守り!」 

あわてて拾い上げたハコちゃんの水色のワンピースの裾が

  ふわふわ蝶々みたいに揺れた 

帰り道 

おとうさんとおかあさんの真ん中で ハコちゃんもピョコピョコ楽しそうに揺れた

その夜

 楽しくて大切なこの日を忘れないために

ハコちゃん

本棚にある厚くて重い辞書を取り出して 真ん中のページに

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四葉のクローバーをそっとはさみこんだ

何度も練習したピアノの練習曲の音色も もしかしたらいっしょにね

押し花が出来上がった頃 

ハコちゃんのピアノ きっと もっともっと上手になっているんだろうな

 

<おわり>

 

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illustrated by ショコラ果歩

wrriten by sakauta

 ハコちゃんシリーズはカテゴリの「ブログ童話」に連載中

ショコラ果歩さんはブログの仲間 このシリーズで毎回イラストを担当しています

ストーリーを知らされずに イメージだけで描いた作品

ネット上のコラボレーションです!

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see you!

 

 

ブログ童話Ⅲ『ハコちゃんのチョッキン日』

 

ハコちゃんは 日本の北に住んでいる

10歳の小学3年生

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家族は

おとうさん おかあさん 犬のザラメさん カメの 安西さんと村上さん

ハコちゃんは 毎朝 おかあさんに髪をとかしてもらっている

ハコちゃんの髪はちょっとクセ毛なので 

朝起きるとグシャグシャになっていて とてもひとりでは無理

時々 前髪をピンで留めることもある

ピンク色でリボンの形のもの 黄色いあめ玉みたいなものもある

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そういえばザラメさんも時々トリミングした後 髪飾りをして帰ってくる時があるよ

ハコちゃんは 月に一度 近くのヘアサロンで髪を切りに行っている

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そこは ハコちゃんのおかあさんのお兄さん寅三おじさんが経営しているお店

ハコちゃん そのおじさんのこと 寅ちゃんって呼んでいる

だって映画の主人公の寅さんみたいにおもしろいんだもの

日曜日 ハコちゃんがおじさんの店のドアを開けると

「いらっしゃい! はっちゃん!!」というおじさんの元気な声

おじさんはハコちゃんのことを はっちゃんって呼ぶ

そしたら どこからか

「これはこれは はっちゃん 偶然ですねぇ」

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ふざけた声は同級生のあおちゃん(青乃 ハッサム君)

あおちゃんのおとうさんは スリランカ人でレストランを経営している

ハコちゃん 前にあおちゃんの誕生会に呼ばれて行ったことがあるけど

目が飛び出るほどおいしいごちそうがたくさんで驚いたことがある 

あおちゃんもおじさんの店の常連なのだ

「こら! 動いたら危ないぞ! 耳をちょんぎっても責任とらないからな!」

 おじさんが あおちゃんの頭をコツンとたたいた

しばらくして 水色のケープにくっついたあおちゃんの短い髪の毛を

ブラシでサッサッと払いながら おじさんが言った

「そういえば きのう電話で聞いたおもしろい話 二人に教えてあげよう」

「え 何 何??」

ハコちゃんとあおちゃんが おじさんの顔を覗きこんだ

 「奈良県で床屋さんを経営しているおじさんの友達の店に来るおもろい小学生の話」

「おもろいって知ってる!関西弁でおもしろいってことでしょう?」

はこちゃんが 興奮した声で言った

「そうそう この話はね その関西弁でなくっちゃ おもしろさが充分に伝わらないんだな」

そう言うなり おじさんはヒョイっと待合の椅子に膝を折って座ると

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落語家になったみたいな調子で話始めた

「髪を切る商売をしておりますと いろんなお客様がいらっしゃいます

髪の濃い人 薄い人

柔らかい髪質の人 剛毛の人

無口な人 おしゃべりの人・・・・」

「 早く教えてよ 小学生の話なんでしょ?」

あおちゃんがせかした

「おっと そうでしたな 失礼いたしました 

では ある日の小学生の男の子と店主の会話をひとつ・・・・・」

『ヘビ怖い?』 

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『いや、怖ないで』

『何が 怖いねん』 

『アサリが怖いねん』

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『え?アサリが?』

『だってさぁ アサリってな なんかトゲあるやんか あれが怖いねん

ほんでな おっきいアサリのほうが もっと怖いねん』

『え?アサリなんか味噌汁やんか なんで怖いの?』

『うん あのなぁ せやけど怖いねん・・・・あ 違うわ サソリや!!』

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おあとがよろしいようで・・・・

しばらく 間を置いてから

ハコちゃんとあおちゃん 顔を見合わせてクスクス笑った

話もおもしろかったけれど

何よりも関西弁をしゃべるおじさんのほうがもっとおもしろかった

「ね?おもろい話だっただろう?この店にも時々おもしろいお客さんが来るけど

きのう電話でその話聞いたときはさすがに吹き出したよ

さてと あおちゃん終了したから 今度は はっちゃんの番だよ」

「 おおきに また来るでぇ! ヒラリー!!コキントン!!」

あおちゃんがヘンテコな挨拶をして帰って行った

ハコちゃん椅子に座って 鏡の中の自分と対面してふと思い出した

数日前 おかあさんに牛乳を買うのを頼まれてコンビニに走って行った時

息をきらしてカウンターにいる店員さんに

「皮下脂肪牛乳ください!」って言ったこと

 その店員さん しばらく考えてから

急に笑いをこらえてハコちゃんに言った

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「ああ わかった! 低脂肪牛乳のことね!」

後でおかあさんにすごく笑われたけど それからしばらくコンビにには行けなかった

恥ずかしくて

アサリとサソリを間違えたっていう その男の子はどうだったんだろう

ちょっと 考えてみた

でも その子は 関西の男の子だからきっと家に帰ってから

「かあちゃん アサリとサソリ 間違ったらあかんでぇ」

とかなんとか 笑って言ったんだろうか

そして自分の失敗は絶対 おじさんには知られたくないって思った

また落語みたいに どっかの小学生に話しをされたら嫌だもの

「はっちゃん 何 ボ~ッとしているんだい?椅子倒すよ」

おじさんがカットの終ったハコちゃんの頭にグシュグシュってかけたシャンプーが

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 あまりにもひんやりしていたから ハコちゃんおもわず叫んだ

「寅ちゃん 冷たいでぇ!!」

おじさんが 一瞬 手を止めて 大きな声で笑った

 

< おわり >

 

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 ハコちゃんシリーズは カテゴリのブログ童話で不定期に連載されています

今回のお話PARTⅢは ブログ仲間トラップ大差←(私はいつも寅ちゃんと読んでいます)の店で

実際にあった対話を参考にしたものです

更に あおちゃんの記事←も一部拝借しました

寅ちゃん あおちゃん ネタ拝借したでぇ ありがとう

イラストは引き続きハコちゃんのモデルでもある ブログ仲間ショコラ果歩さんによるものです

前回同様内容を知ることなく 私の絵のリクエストを快く引き受けてくれました

感謝します ありがとう

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wrriten by sakauta

illustrated by ショコラ果歩

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ブログ童話Ⅱ・ハコちゃんのポカポカ散歩

 

ハコちゃんは 日本の北に住んでいる

そこは

冬がやって来るのが とても早いのに

 春がやって来るのは とても遅い

テレビのニュースでは もう桜が散ってしまった所もあるって聞いたけれど

ハコちゃんの街の桜はやっと固いつぼみが顔を見せ始めたところ

枝の先がうっすら ピンク色に色づいてきた

学校の校庭のまわりにも 桜の木がたくさんある

でも春が来ないとその木が何の木だったのか忘れてしまっている

桜が満開の季節 学校の休み時間になると

ハコちゃん いちもくさんに校庭に駆けて行って

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地面に落ちた花びらを 両手いっぱいに集める 

そしてそれを 自分の鼻に近づけて 顔までうずめてしまう

ふんわりやさしい香りがして とってもいい気持ち

ハコちゃん 桜の花びらをもっともっとたくさん集めて

自分の枕に詰め込んでみたいって思っている

とっても素敵な夢が見られそうだから

でも ハコちゃん 本当はあまり夢をみない

夜 お布団に入るといつの間にか眠ってしまうし

おかあさんの声で目が覚めると あっという間に朝になっているもの

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ある日ハコちゃん おとうさんと犬のザラメさんといっしょに 

港のそばにある公園に散歩に出かけた

その日はとっても天気が良くて おとうさんもハコちゃんも

歩いている途中で 着ていた上着を脱いでしまうほど ぽかぽか陽気

公園に着くと もう桜祭り用のピンクのぼんぼりがあちこちに吊り下げられていた

みんなも春が待ち遠しくてたまらないんだなって ハコチャンは思った

ところどころに 屋台も出ていて

お好み焼きやフランクフルトの匂い わたあめの甘い香りがぷわぷわり

公園の周りを一周しているうちに

なんだか おなかがすいてきて

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 おとうさんとベンチにすわって おかあさんが作ってくれたお弁当を広げた

おにぎりと 玉子焼きと ウィンナー デザートはいちごとパイン

水筒には ハコちゃんの大好きなレモンティー

おとうさんもハコちゃんも ニコニコ モリモリ食べた 

ザラメさんには 小さくカットしたササミジャーキー

 しっぽがうれしいなって言っている

  さっきおとうさんに買ってもらった風船が ベンチの背でゆれている

ハコちゃん 何色にしようかって とっても迷ったけれど

お家の庭で一番先に咲いたチューリップを思い出して

黄色の風船に決めた

家に帰ったら 勉強机の椅子に結ぼうと思っている

おなかがいっぱいになった ハコちゃん ちょっと眠くなっておとうさんに寄りかかったその時

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風船が すう~っと離れていってしまった

「あ 大変 待って!!」

ハコちゃんあわってて追いかけた

運良く 風船のひもの端っこが 木の枝に絡みついて

そばを通りかかった おにいさんがひょいっと背伸びをして取ってくれた

「ありがとう」

ひと安心のハコちゃん でも風船を受け取ったその瞬間

あらら あっという間に空に向ってふうわり浮き上がってしまった

公園の景色があっという間に小さくなっていく

おとうさんが 手を振っているのが見える ザラメさんも不思議そうに見上げている

なんでおとうさん助けてくれないの? ハコチャンは悲しくなった

だけど そのうちこわいのも忘れて とっても楽しくなってきた

体がふわふわして まるで雲になったみたい

いつも見慣れている景色が 真上からみるとちょっと違った感じに見えた

小学校の校舎も校庭もおもちゃみたい 

仲良しのこんちゃん昆久利斗君の家も見えた

こんちゃんのおとうさんは建築屋さんで 大きなビルを造っている

 前に建築中の30階のビルを案内してもらったことがあるけれど

 今はあの時よりももっともっと高い場所にいる 見せたかったな飛んでいるところ

そのうち ハコチャンの家も見えてきた

おかあさんが 庭で花に水やりをしているのが見えた

「おかあさん!!」

はこちゃん 思わず叫んでしまったけれど おかあさんはまったく気付いてくれない

あたりまえだよね おかあさん ハコちゃんが空を飛んでいるなんて知るわけないもの

やがて ハコちゃん 広い野原のそばまでにやってきた

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 うっすらとピンク色に染まり始めた桜の森が見える

そして その森のずうっとずうっと上の方に オーロラのような虹色の帯がゆらめいていて

そこから キラキラ輝く 細かい結晶が舞い降りている

あまりにも きれいなその光景に ハコちゃん息を呑んだ

あれは 妖精たちの撒く春吹雪なんだ きっと 心の中でそうつぶやいた

と ハコチャン 風船といっしょに その光の方へ吸い込まれていく

もう まぶしくて 目を開けていられないくらい

 おもわず両手で顔おおったら 風船が手から放れて飛んでいってしまった

ああ どうしよう 私落っこちてしまう 助けて~!!

ハコちゃん 大声で叫んだ

「ハコ どうしたんだ? そろそろお家に帰ろうか」

おとうさんの声で目が覚めた

夢だったんだ 

ハコチャン おなかがいっぱいになって お日様の下にいたらいつの間にか眠っていたみたい

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ザラメさんも ハコちゃんの足元でいっしょにお昼ねしていたようだよ

おとうさんのひざの上はとっても気持ちが良かった

桜のはなびらがいっぱいつまった枕ほど 柔らかくはなかったかもしれないけれど

「おとうさん 春の妖精がもうすぐこの街にもキラキラの春吹雪を撒いてくれるんだね」

「春の妖精?キラキラの春吹雪?ハコは眠っている間にとっても素敵な所に行ってきたようだね」

帰り道 ハコちゃん 夢中でおとうさんに夢の話を聞かせてあげた

おっと ハコちゃん 公園にひとつ忘れ物したよ

ベンチにくくりつけた 黄色の風船

でも そのままでいいのかもしれないね

春の妖精たちの目印になるかもしれないから 

キラキラの春吹雪をそこらじゅうにたくさん撒いてもらえそうだから

 

おわり

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illustrated by

kahotyan

special thanks

kon・kuritokun

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See you !! 

 

 

  

ブログ童話・「ハコちゃんの不思議な日曜日」

 

ハコちゃんは 日本の北に住んでいる

家族は おとうさん おかあさん 

そして 犬のザラメさんと 二匹のカメの

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村上さんと安西さん

ハコちゃんは小学3年生 10歳の女の子

     image by 果歩

毎日 とっても元気

勉強は嫌いではないけれど やはり外で遊んでいる時が一番好き

夜は誰よりも早く布団に入って たくさん眠る 

眠りすぎて 朝は決まっておかあさんに起こされる

「ハコちゃん 学校に遅れるわよ 起きなさい!」ってね

それから 眠い目をして布団からゆっくり起き上がると

足元で寝ていたザラメさんのペロペロ攻撃が待っている

なんとか逃れて 急いで顔を洗って ご飯を食べて 歯磨きをして

ランドセル背負って 玄関を出る

おとうさんが ニコニコして 「ハコ 走っちゃだめだよ 危ないから」

って 後ろから声をかける

でもハコちゃんは走る おとうさんに言われた事をすぐに忘れて

背中のランドセルの中の 教科書や筆箱をガタガタいわせて

学校の下駄箱に着くまで ずっと走る

ハコちゃんは 誰かさんと同じ普通の小学生の女の子

でも あの日だけは ちょっと違っていた

ある日曜の午後 おかあさんに100円玉のお小遣いをもらって

ハコちゃん 近所のコンビニに走った 

 入り口でひとりのおじいさんとはちあわせ

そうしたら そのおじいさん にっこり笑っていった

「先にお入り」って

 シワシワの大きな手でゆっくりドアを開けてくれた

「ありがとう」

ぴょこんと頭を下げ すぐさまおやつの棚に直行

いろいろ迷ったけれど その日はぶどう味のグミに決めた

レジに行くと あれれ またあのおじいさんとはちあわせ

今度はハコちゃん すっと おじいさんの後ろにまわった

おじいさんは手に何も持っていないようだったけれど

よく見てみたら 木の棒みたいなものを何本か持っていて

店員さんにそれを渡すと 冷凍庫からアイスキャンディーを数本取り出して戻ってきた

そうか あれは当り棒だったんだ!

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ハコちゃんは思った

その時 後ろを振り向いておじいさんが言った

「君にこの当り棒二本あげよう 好きな時に交換しなさい」

驚いたハコちゃん お礼も忘れてもらった当り棒を持ったまましばらく立ちんぼ

 そうしているうちに おじいさんは 帰って行ってしまった

ぶどう味のグミを噛みながら ハコちゃん もらった当り棒を握り締めて家に帰った

すぐにアイスキャンデーと交換できたけれど できなかった

おじいさんがどうして2本も当り棒くれたんだろう?ってとても不思議だったから

自分の部屋に戻ると ハコちゃん 机の一番下の引き出しを開けて

花模様のきれいな空き缶を取り出した

前におかあさんが同窓会で旅行に行った時のおみやげのクッキーの缶

お花に鳥がとまっているそれはそれはきれいな缶

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ハコちゃんの宝物がたくさん入っている

 その中におじいさんからもらった当り棒を二本入れようとしたその時

 何か文字が見えた 「一本当り!」とは違う文字が

そこには「10年後の未来 10分」

と書かれてあった

ハコちゃん 何がなんだかさっぱりわからなかったけれど

これじゃ アイスキャンデーと交換は無理だってちょっとがっかりした

だけどとても気になって 10年後の未来の棒をじっと見ていたら

そのうち体がムズムズしてきた

その途端 ハコちゃん きれいなお嬢さんになっていた

そばの鏡にうつる自分に ハコチャン 驚いた

ブルーのワンピースの胸には

 蝶の形のペンダントがキラキラ輝いていた

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確かに自分のようではあるけれど 薄っすらお化粧していて長い髪

自分でもちょっとうっとりしてしまうくらい素敵

そこに ザラメさんがやってきて

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お嬢さんのハコちゃんのまわりをウロウロしてにおいをかぎまわっている

見知らぬ人にはワンワン吠えるのに やはりハコちゃんだってわかるらしい

10年後ってこのことだったんだ

そうだ 10分って書いてあったから もう時間がない

ハコちゃん 鉛筆を持って柱の所で後ろ向きになり 頭のてっぺんあたりに印を付けた

ドキドキして 手が震えたけど 

その印は一週間前におとうさんに付けてもらった所のずっと上のほうにあった

 その時 おかあさんの声がした

「ハコちゃん お買い物に一緒に行く?」

ハコちゃん すごく焦った

どうしよう おかあさんここに来たらどうしよう

その時 パチっと耳元で音がした

そしたら いつものハコちゃんに戻っていた

ああ よかった 10分って以外に長かったなぁ

それにしても あのおじいさんはいったい誰なんだろう

魔法使いなのかもしれないな

驚いたけれど とっても楽しくてワクワクした ハコちゃん

 一本残った不思議な当り棒を大事に缶の中にしまった

この棒はさっき見た とってもきれいなお嬢さんになった私が

またここから取り出して 10年後の未来の私と会うんだ

 そう思った時 ハコちゃんは気が付いた

さっき見たきれいなお嬢さんの私 

前にアルバムで見た若い頃のおかあさんにとても似ているって

なんか とてもうれしくなって

ハコちゃん 階段を駆け下りた

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「おかあさん 待って 私も買い物にいっしょに行きたい!!」

 

<おわり>

 

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 このお話は 4月13日に掲載した 『ガリガリ喰う』にコメントしてくれた

ショコラ果歩さんの体験からヒントを得たものです

そして 前の日のabeさんの sakautaさんの書いた童話を読んでみたい

というコメントにも心を動かされました

現実と空想の世界がごちゃまぜになって

ムズムズしながら書き進みました

2月に連載したブログ小説「恋んランドリー」

これもYukoさんのブログ記事を基にして書き上げたものです

みんなの誘導の力ってすごい

更に このお話の内容をまったく知らせずに 

『ランドセルをしょった10歳の女の子のイラスト』を書いてほしいという突然の依頼に

戸惑いながらも 応えてくれた果歩ちゃん

ありがとう

そして 病床で毎日辛いおもいをしているであろう 私の母に

この作品を捧げたいとおもいます

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おかあさんとの買い物は最高に楽しかった

<sakauta>