山磁石

目的は郵便物を投函することだった

午前中青空だった空は時間が経つにつれて次第に灰色へと変わり

きょうは到底無理とほぼ諦めてはいたはずが

気が付けばそこは小岩井の農道

外出前念のため車の後部座席に放り込んだカメラがまさかの出番を迎える

寒々しくもまだ緑に覆われた牧草地

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第一地点の岩手山 とうもろこしがすべて刈り撮られて見晴らし良好

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数百メートル先の第二地点 刻々と変わる雲の形状

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一瞬射した光が木立の色を浮き立たせる

厚い雲の群れがスピードを上げて押し寄せてくる

これ以上の岩手山は望めそうにない 

退散

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国道に出てとうもろこし畑の跡地に誘われ

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ちょっとだけ止まってひとかたまりの青空を仰ぐ

ここに来るのも今年はこれで最後かな

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郵便物の投函が結局おまけみたいになってしまった

晩秋のフェイント

十月十年

夫が亡くなってからきょうで10年を迎える

長かった あっという間だった

当てはまる言葉は見つからない

新聞記者だった夫が入院から死の数日前まで書き留めていたメモを基に

時々の自分の心情を綴った著書を読み返している

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些細な出来事がきのうことのように蘇ってくる

夫の表情言葉声ひんやりしたベッドの手すり病室を出た後のやるせなさ

未だすべてが私にとって過去のものではない

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とはいえ夫に見守られていた安堵感はすでになく

弱くなった所を差し引いたとしても私は確実に変わりそして強くなった

ただ年が経つにつれ失ったものの大きさそして偉大さが

スクリュードライバー並みの強さで心をえぐる時がある

夫と息子たちがそばにいて当たり前だったことが

いつの間にか私の日常から遠く離れてしまっていることを思い知らされる時の

虚しさ儚さ悔しさ悲しさ

それでも私は萎えてしまったわけではない

目標を見失ったわけでもない

すべてを忘れたわけでも 生き方を変えたわけでもない

行き止まりが見えそうなその道の堰を軽く跨ぎほんの少し軌道修正したに過ぎないが

生きること生きていることの意味意義を意識できるようになった自分に安堵するのだ

今でも事に行き詰まりそうになった時心の中で夫に問いかけることがある

そんな時不思議と解決策が浮かんでくる

多くの人達からやさしさとエネルギーをもらっている私の人生は今

幸せに満ちていると言えるのかもしれない

このまましばらく突き進もうと思う

これからの成り行きを遠くから見つめている誰かの気配を感じながら

 

✜  ✜  ✜

 

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夫が入院する一週間前家族と犬一匹でピクニックに出かけた

デジカメで岩手山の姿を始めて撮った日

この日からこの山は私にとって特別な存在になったのだ

整日

もしかしたら 今なら見られるかもしれない

午後4時過ぎふと思い立ち車で30分ほどの場所

市内を一望できる岩山展望台へと車を走らせる

岩手山は灰オレンジのベールに包まれ

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太陽は沈みゆく前の放熱を開始したばかり

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姫神山は薄紫が一番似合う色だと誰もが思うような瞬間に居た

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オレンジ色が濃くなり始めると

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少しずつ人が集まってきた

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そこから一番高い所にあるもうひとつの展望台に移動する

螺旋階段の途中から見る景色はまるで屏風絵だ

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すでに一人のカメラマンがベストショットを狙っている

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岩手山 もっともっとオレンジ色になれ!

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ほんの少し目線をずらした空はすでに見事なグラデーション

カメラマンの輪郭が切り絵に見えてくる

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人も植物も電灯も錆びたフェンスも色彩を失うほどの強烈な空

タカンタカン 誰かが鉄の階段を上ってくる音がする 

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中央の避雷針が高らかに宣言する

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『本日の岩手山はただ今がピークである!』

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だとしたら主役はこちらなのか?

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木の真下にいつの間にかもう一人カメラマン

え・・・いったいどれが誰が何が・・・どっちがどうなんだ

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人がまた集まってきた

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もはや岩手山の方角を見ている人は誰もいない

避雷針のおせっかいめ

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若者三人が歓声を上げながら太陽にカメラを向ける

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いつの間にか岩手山や太陽よりも人達の動きに釘付けになっている自分がいる

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偶然にもこの場所に集まった見知らぬ人達が同じ方角をただじっと見続けている

これこそが私の最大の収穫に違いない

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陽が沈むすれすれの空がほんの一瞬明るくなったような気がした

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「ロウソクの火は消える前のその一瞬が一番明るくなるのだよ」

農民画家神田日照が病の床で妻に語ったという言葉が脳裏に浮かんだ

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そして終演を受け継ぐかのように

遠くの空に旅客機の筋がスゥ

またとないタイミングで

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しばらく立ちつくしていた身体は冷えていて当然なはずなのになぜかポッカと温かく

オレンジ光線を貯めこんだ愛用のカメラもわずかに熱を帯びているように感じた

あぁ なんと深く滲み入る時の中に私は居合わせたことだろう

沈まぬ態様

ふと気付いたら

空が燃えていた

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修正でも加えたかのようなその色彩

あぁこんな空を背景に岩手山を撮ることができたらな

今から駆け付けてももはや遅し

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振り向いた隣家の窓の薄紫が後ろ髪引く

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丁度その頃友のAちゃんが

またとない岩手山をキャッチしていた

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これこれ!これなんだよ!!

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同じ時間カメラを空に向けていたAちゃんと私は

カメラ目・バタバタ属やね

クリア・ファイル

待っていました この日この時

台風一過の翌朝は澄みきった青空

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よしこれなら確実写真 いざ!

やった~途中橋の欄干の向うにくっきり

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ワッ・・・普段の川原が一変 雨量の多さを物語る

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ジャズも開いた口が塞がらない

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農道に入る なんて清々しい空気

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とんびが優雅に空を舞う

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何度も通っているこの場所で始めてのショット

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道路脇の草花もすっかり秋の気配

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とうもろこし畑の上空にはカラス

サングラス兄ちゃん 監視の眼が鋭く光る

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大迫力だね この自然

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A地点の牧草地はいつの間にかとうもろこし畑に様変わり

これはこれでいいのかな・・・でも少しがっかり

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おぉ~~やはりB地点は最高

 

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たとえ晴れていてもこれほど鮮明な岩手山に出会えるチャンスは稀

この数週間何度も途中で道を引き返した苦労が報われた

大満足じゃて

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次回は晩秋の岩手山に会いに来るきっと

小岩井農場の牧草地では刈り取り作業真っ最中

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いい感じです 働く自動車

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いつもならこのまま我が家に直行のところを

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きょうは例外 そこから雫石の産直を目指す

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流れる景色も秋色

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ナナカマドの朱が青空に映える

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産直現場を一気に飛び越し

飛行機

ここは我が家

三種類のパンがおいしかった

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スズメウリのオーナメントとオモチャカボチャは玄関に飾りました

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岩手山の他にたくさんのおまけ付き

運転手役を引き受けてくれたkozyに感謝

二年間で体重20キロ減を達成したその姿をここに印し

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お礼の倍返し!

くれぐれもリバウンドにはご用心召され

羊

話題が逸れました

おぉ 岩手山

What a nice guy you are!

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山に会う山で会う

連休が開けた途端に天気回復

気温も一気に春めいてきた

私の体調も上向きに!となれば迷いはない

この道の行き着くところは

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当然のことながら

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ここに決まっている 来ましたよ!

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今年の二月以来だ

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寒さがぶり返したせいで頂上にはまだ雪が大分残っている

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雄大な景色の下で働く自動車たちがまるでおもちゃのように見える

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さて第二地点へ向かうとしよう!

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いつもの場所に車を停めて一歩二歩・・・

ん?・・・誰かいる

お弁当食べながら山を鑑賞しているのか

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それにしても新緑の岩手山の素晴らしいこと

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来てよかった!!

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で・・・さっきの人に尋ねてみると

愛知県から絵を描きながら旅をしているという

この場所には大分離れた小岩井駅から歩いて来たと!

す すごい いったい何物・・・

興味が湧くも作業の邪魔にならぬよう早急に立ち去る

が・・・

何か大切なことを忘てきたような後ろ髪惹かれる思いに駆られ

ぐるっと遠回りして結局元の場所に引き返す

車

その訳は

この場面をどうしても撮りたかった

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岩手山を撮り始めて約十年一年に4.5回は通っているこの場所で

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始めて人と言葉を交わした

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記念すべき一瞬をどうしてもね

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おやつに持っていた南部せんべいを差し上げたら絵ハガキをいただきました

愛知県民が描いた岩手山 大切にします!

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そしてその場でさらさらとサインまでしてくださいました

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放浪画家旅びっとんさんありがとう

元気で北海道に向ってください そしてたくさん描いてください

▲   ▲   ▲

岩手山

あなたが用意してくださった恵みに心から

感謝します

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早春のダッシュ

その日の予定を終えたのは午後の4時過ぎ

でも陽射しはまだまだあるし

空は雲ひとつない晴天

決めた!急げ!

目的地に向かう途中

来月三重県から転勤でやってくる友の住宅地付近で信号待ちに

思わず激写

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ほどなくして到着した場所は

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さっそくカメラを構える

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接写

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時間的に小岩井までは行けなかったけれど岩手山の雄姿にまた出会えた

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粘り強い太陽の後押し

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この日の最高気温は7度

澄み切った青空の下

春の気配の風を切る

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